2023年1月26日木曜日

AIと労賃圧縮について

人工知能は絵や小説もですが事務仕事にも進出しています。こちらはchatGPTというサービスが使えそうだと注目されています。

動画を見かけたのですが、エクセルの関数やマクロについてもやりたいことを伝えると具体的にどうすればいいかを提案してもらえるようです。プログラミングのコード、人名やアイテムのリスト等も提案可能なようです。完全に頭脳労働の領域です。

まだ発展途上であり複雑なプログラミングなど間違うことはあるみたいですが、そもそも仕事を頼む側が成果をチェックして当然ですから丸投げはしないと思います。

驚くべきなのはマクロのようにエクセルVBAの習熟者しか打てないようなちゃんとしたコードを提案できることです。

人間なら何百時間、何千時間かけて学習し、時間をかけて打ち込むようなものをすらすら提案できるというのは十分優れています。


こうして自動化で人間が関わる工程、労働が圧縮されると、その分の人件費を減らすことができるでしょう。技術的失業といいます。

そうすると同じ成果価値なのに購買力が減ります。今の社会には技術的失業に対応するベーシックインカムのシステムがないからです。

全自動で仕事が実現可能となれば、理屈の上では労賃はさらに低くなるか、ほぼ発生しなくなります。AIロボットの方が市場で価値があるからです。

せっかく大きな生産が実現できても、今度はそれを分配できません。

AI脅威論の根源はおそらくここから来る不安だろうと考えていますが、これはAIではなく社会システム側の問題なので、もしそうなら見当違いです。本質的に同じことは農作開始でも産業革命でも起きています。

文明はAI(というか電子プログラム)を手放せなくなっていくと思います。それに付随する技術的失業をベーシックインカムで解決できないとこの問題はこれからもついて回るでしょう。

「市場価値を高めろ、貧困は自己責任だ」と放棄するのがおかしい話だと気づき始めた人も増えてきたのではないでしょうか。増えてないのかもしれませんが。