本記事の要旨
・おカネは先立つもの(グラフ)
おカネは先立つもの(グラフ)
本記事では統計を扱います。下にある図は、以下の前年からの変化(単位:%)の推移をグラフにしたものです。
グラフにするにあたり、国内総生産の前年からの変化を経済成長と呼んでいます。
調査範囲はマネーストックM2の調査が始まった1968年から2016年までです。
1枚目が元のグラフ、2枚目が筆者が注目した部分をメモ書きしたものです。
グラフ |
メモ書きしたものが次のグラフです。
グラフ(メモ書き付き) |
一見して関係がありそうです。
大きく変動している部分の頂点と谷に注目してみると、おカネの量であるマネーストックM2(赤)が最初に変化して、その次に名目GDP(青)、その次に雇用者報酬(緑)に波及するという流れがあるようにも見えます。
以下に各箇所の順番を書き出してみました。
1970年代前半(図左上)の頂点の順番
1972年:マネーストックM2(26.5%)
1973年:名目GDP(21.0%)
1974年:名目雇用者報酬(28.5%)
その後(図左下)の谷の順番
1974年:マネーストックM2(11.9%)
1975年:名目GDP(10.0%)
1978年:名目雇用者報酬(7.4%)
1990年頃(図中央)の谷の順番
1992年:マネーストックM2(0.6%)
1993年:名目GDP(-0.1%)
1995年:名目雇用者報酬(1.6%)
以上で同様の傾向が見られました。
1990年の頂点は一箇所にまとまっていますが、下がり幅はおカネ、名目GDP、雇用者報酬という順番になっているようです。
まとめ
おカネの量、経済成長、給料それぞれの前年からの変化という3つのグラフを並べてみましたが、とても関連がありそうでした。
また、動くのはおカネの量、経済成長、給料の順番ではないかという見方が出来るように思えました。
先立つものはおカネという格言がありますが、今回のことからも概ね同様のことが言えるのではないかと思います。