2019年2月23日土曜日

平成31年度予算の編成等に関する建議への意見



平成の財政を振り返り、次の新たな時代に向かう意見募集について

 4月5日まで財務省でこのようなものをやっているそうです。みなさんもご意見あれば投書してみては如何でしょうか。私も自分なりに考えて送ってみました。以下その本文ですが参考になれば幸いです。


本文

 購買力発生に伴う債務負担を無くすべきである
 
 財政収支を問題として提起するならば、購買力発生に伴って生じる債務負担を軽減するか消滅させる必要がある。そうしなければ誰かの持つ請求権が誰かの債務と利子負担で成り立つ現行の制度設計上、いくら税率を上げようと数字や生活が程よく収まることはありえない。預金準備率100%や国債の日銀引受が必要である。請求のための券の話に過ぎない財政(通貨)が財(生産)より遥かに大事という本末転倒に国民経済は振り回され、萎縮している。不足を購買力ではなく生産性や自己責任、努力と言ったものに求める風潮まであるが、こうした方針が現状の問題を解決することは決して無く、最終的に負担は貧困や健康問題といった形で消費者が背負っている。それでもあくまで財政問題を提起しこれを消費増税によって解決しようとするならば、まず債務による通貨発生に伴って生まれる利子は何なのか、これについて国民が納得する議論を公開し通貨制度の是非を問うべきである。


 購買力不足の解決のため、通貨発行と消費者への直接給付を検討すべきである
 
 税収を増大させるには購買力を増大させる必要がある。購買力増大とは通貨流通の増大であるから、税率を上げなくとも税収を上げることが可能である。購買力を増大させるには請求のための券(通貨)を発行して消費者に分配するだけで事足りる。現状、購買力さえ十分にあれば分配可能な財の供給力に比して、消費者がそれらを請求するための現実の購買力は圧倒的に不足している。このことは物価が上昇していないことや、生産現場や生活を締め付けるものが売上や人件費、収入といった通貨流通の不足であること等から判断できる。購買力不足とそれによる社会問題を最も確実、包括的、そしてシンプルに解決出来る方策は、通貨の発行を含んだ調達と消費者への十分な直接給付である。消費増税は購買力を低下させるので悪手である。また生産の効率化は購買力不足を解決するものではない上、民間が当然にやってきていることなので政府側であえて目標として掲げる意味はない。生産性向上と購買力増大は直接の関係がなく、これに執着することは政府が自らの首を自らの手で絞めることになる。そして最終的にその負担は国民消費者が負うことになるから、先述したような方法を以て購買力の整備を優先する方針に転換すべきである。


本文おわり



 建議書自体はざっと目を通してほぼどうでもいい内容に見えたので本文では無視しています。いつになったら前提認識がおかしいことや、しがらみありきで考えることの無理を認めるのでしょうか。購買力不足を無視して効率化やら生産性向上やら、つまり供給強化に関する提言が出てくるのがおかしいのですが、これが吐気と頭痛がしそうなほど繰り返されています。購買力の現状を無視・あるいは絶対視することでしか出てこない意見です。購買力が無くなっても業務効率化で解決できますか?生産性を上げるとなんで若者に魅力的な産業になるんですか?人件費が減って雇われにとってはおいしくないのでは?

 生産性って私が考える以上に便利で曖昧な言葉として使われていると思いました(何か以前もこういう言葉があったような気が…)。聞こえのいい言葉を誰かが使うと他の誰かもそれに倣って(意味ははっきりとは知らないが、他の人も同じだし利権に背くものではない限り違和感があっても誰も突っ込まない)苦痛な時間を凌ぐだけの学級会なんかを思い出します。この批判は無人工場の生産物を買うのは誰?という質問に代えてもいいかもしれません。そも、あえて言うまでもなく企業は効率化を行うものでは?デフレ脱却はどこいきました?間違った制度設計や決定を正当化するために努力不足、生産性不足と貶されハードルを上げ続けられる企業や消費者。

 誰しも言われなくも生きてますし満足するよう勝手に適応しますが、社会から伝わるメッセージはお前の人生は駄目だ不足だ、生活を維持できるほどの商品価値がないのなら死を以て貢献せよというようなものです。少なくとも私は親や新聞、テレビ、教師などを通して小さい頃からずっとそのような雰囲気を感じて緊張してきました。無条件の請求権と財の分配を認め、少しずつどこかの誰かから喜びを分けてもらって、少しだけどこかの誰かに分けるつもりで何かするというのでいいと私は思います。心配しなくても人には役に立つことを喜ぶ機能が備わっています。孤独を癒せるのは生活のための仕事に追い立てられる状況に没頭することではなく、何の脅迫的事情にも囚われない状態で心から役に立つと思えることをした時だけです。

 テレビ新聞の言うことを真に受けて団らんを壊し、子供を追い立て緊張・萎縮させる家庭。質的栄養失調の中、神経をすり減らしながら頑張っていずれ絶望する子供達。しがらみありきで体面のためにだけ会議をする為政者。ただただ妄執と狂気です。何をするにも自分の商品価値を真っ先に問わなければならない、しかもそれを評価するおカネがない、使えるおカネは自分の商品価値に依存している、効率化は容赦なく進む、利権とマスコミに騙されさらなる負担を背負う。抜け出さなければこの国は破滅するまで螺旋を描いて堕ちていきます。