2020年8月14日金曜日

栄養状態と虐待

 

栄養状態と虐待の関係についての記事がありました。 

 

”虐待件数の増加と、鉄摂取量の低下・鉄欠乏性貧血の増加は明らかに相関しています。筆者は、子どもを虐待する母親のスクリーニングを目的として、育児に対するポジティブな反応を表す9項目と、ネガティブな反応を表す15項目の質問表を作成しました。そして、スクリーニングテストを行った結果、自分の子どもに対してネガティブな感情の強い母親は、生活習慣や偏食の問題があり、特に鉄を含んだ食品の摂取量が少ない傾向にあることが確認されました。(塙・2017年日本発達心理学会) ”

”オーソモレキュラー療法が教えてくれることは、今回お話しした「鉄」をはじめ、“ある特定の栄養素”が足りないだけで、ヒトは死にたくなったり、想像できないほどの攻撃性・破壊性を露呈する恐れがあるということなのでしょう。これは、精神科の教科書を書き換えなければならないほどのインパクトのある理論です。子どもを上手く育てられないという負の連鎖を断ち切るために、オーソモレキュラー療法を活用することは、非常に有効な手段であると信じています。”

現代型の育児ストレスと鉄欠乏
URL:ttps://isom-japan.org/article/article_page?uid=tD4Xo1573095596



こういった話は私が試してみた実感としても支持出来そうだと考えています。この場合の栄養失調は食事の摂取カロリー量とかの物差しじゃなくて、エネルギー産生までに必要なタンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素の不足ということです。

 

私の体験として、子供の頃に大量の氷を食べていた記憶があります。これは異食症の一種であり、鉄欠乏によって引き起こされるという説があります。爪とか鉛筆もよくかじっていました。異食症の他に集中力低下や抑鬱のような状態が長年続きました。

 

栄養が心身に多大に影響すると確信できた出来事が、栄養状態の改善を始めてから心身状態が改善してきたことです。栄養が影響する範囲は広いことがわかったのですが、例えば強烈な空腹感に悩まされることが無くなりました。栄養が不足すると身体はそれを食事の量でカバーしようとするのかもしれません。

 

栄養が少なくて済むはずの子供が栄養失調であれば、同じ食卓を囲んでいる大人の栄養状態はさらに悪いのではないでしょうか。栄養不十分な食事が皆のストレス耐性や思考能力の低下なども引き起こすことで、場の不和に繋がる部分があるのではないかと考えられます。実際私の家庭もずっと不和です。そういえば以前に姪の一人が頭痛らしいと聞いたのですが、鉄欠乏とかの栄養失調ではないかと思っています。私もひどい偏頭痛が何年もあったのですが、栄養改善してからかなり楽になりました。

 

栄養状態の悪化には、通貨循環の不足で食品にかけるおカネを抑えているとか、それによって食品の質が下がっているといったことの影響もあるかもしれません。

 

自覚のない栄養失調が何らかの問題として表出した際、栄養は満たされているという前提から思考を出発させると、人格問題や努力不足といった結論になりがちなところも不和の原因としてあるのではないかと思います。でも実際は栄養状態が万全という前提が恐らく間違っています。栄養不足だとすれば、栄養状態の改善が必要な行動になってくると考えられます。

 

子供達が健やかに成長する環境を整えるためにも、まずは大人自身が購買力不足や栄養失調と言った問題を自覚し、対処するところから始めたほうがいいのではないかと思います。