2020年12月2日水曜日

水分

水とナトリウムとカリウム

人間の身体の半分以上は水です。ナトリウムとカリウムでコントロールされています。血液にナトリウムが、細胞内液にカリウムが入っています。大人の身体でナトリウムが約100g、カリウムが約200g含まれるそうです。ナトリウムの50%が血液(細胞外液)、40%が骨格にあり、カリウムの大部分は細胞内液にあるとされます。

 

脱水

身体システムは体液中の電解質を一定の濃度に保とうとするようで、カリウムやナトリウムが減りすぎたりすると水分を保持できないので脱水になります。ナトリウムだけを摂取しても、カリウムが不足していれば細胞に水が入っていかないため脱水になると考えられます。

市販の経口補水液にはナトリウムの他にもカリウムが含まれていますが、一般的に経口補水液の作り方として紹介されているレシピの中には、必ずしもカリウムは材料として含まれていませんので注意が必要かと思っています。

減塩しおには塩化ナトリウムに塩化カリウムが混ぜられています。減塩しおを水に溶かせば、食塩だけを溶かしたものより優れた経口補水液になると考えられます。

 

電気信号

ナトリウムとカリウムは体の電気信号を発生させるのに必要なので、絶対量とかバランスがおかしいと信号がよく伝わらず感覚が鈍くなったりすると考えられます。筋肉や神経の働きにも影響します。感覚、頭脳活動、運動にも影響すると考えられます。

 

生活習慣病や基準値

食塩(塩化ナトリウム)のとりすぎで高血圧になるのは、ナトリウムで濃くなった血液を水で薄めようとして血液量が増えるためと考えられています。同じような理屈で高血糖も高血圧の要素になるようです。

高血圧の改善にはナトリウム摂取量を抑える他、カリウム摂取量を増やすことが有効とされています。血管壁細胞に入り込んだナトリウムをカリウムが追い出し、血管壁の水ぶくれ状態が収まり弾力性が戻り、血液量の増加を感知したシステムが余計な水分とナトリウムを排出するようです。

生活習慣病のリスクを抑えるには、成人でカリウム一日3.5gの摂取が望ましいという研究があるそうです。末尾に参考として載せている厚労省の報告で紹介していました。カリウム3.5gは塩化カリウム(KCl)では約7gに含まれます。

ナトリウムの摂取量は厚労省の近年の報告によると一日3g未満が望ましいとされます。塩化ナトリウム(NaCl)で7.5g程度です。機関によっては塩化ナトリウムを6g以下にすべきという見解もあるようです。厚労省の場合、実現可能性まで考えて目標を設定しているとのことなので、少し甘めみたいです。

先に述べたように大人の体のうち、血液にナトリウム50g、細胞内液にカリウム200gあるらしいので1:4、水以外を含めてもナトリウム100g、カリウム200gで1:2です。厚労省の報告では、一日の不可避損失量の推定値をナトリウム0.6g、カリウム1.6gとしていました。これらのことから、体内ストックの比率と望ましい摂取比率は私個人の考えではそんなに違わないような気がしています。

 

摂取

調味料として塩化カリウムが配合された減塩しおを活用するのが今だと手頃かと思います。食品では納豆やバナナが比較的多くカリウムを含むようです。納豆はタンパク質やビタミンK、納豆菌なども含みます。

水分摂取量は、個人的には尿が濃くならないくらい飲んでいればいいのかなと思っています。

 

参考

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書:厚生労働省

ttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

電解質の役割:高見台クリニック

ttp://takamidai-clinic.com/?p=16593

栄養素:健康長寿ネット

ttps://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/index.html