2023年10月31日火曜日

技術的失業を無視して議論する人が多すぎる

生産現場の変化を全く知らないのではないかと首を傾げるような意見がゴロゴロあって心がしんどいです

若者が直面しているのは緊縮だけではありません

例え無税だとしても日々高性能化するロボットと競争しなければなりません

技術進歩によって働いて稼いでそれだけで生活するというモデルが機能しなくなったのです

解決は通貨発行して過度のインフレにならない程度に直接給付すればいいだけの話です

ロボットでいい程度の労働価値で給料を上げろと要求しても、企業はロボットを導入するだけです

ベーシックインカムを認めることで価値がないとか努力不足とか糾弾されるのが怖いのか知りませんが、いつまで通用しないやり方にしがみついているのでしょうか

そのくだらない執着が子どもたちを絶望に追い詰めているとわからないものでしょうか

コストカットが貧困をもたらしてしまう問題

経営者がする主張に「コストカットで社会問題、特に貧困問題を解決しよう」というものがあります

志にケチをつけるわけではないですが、ここでは「現行社会システムで」コストカットは貧困問題の解決にはならないという指摘をし、加えて社会問題の解決に寄与するであろう新しい視点を提案したいです


コストカットの対象として人件費があることは周知の事実です

企業は人手不足と言いながらより高い報酬で人手を買うでもなく、ロボット化をすることで「人手不足」を解決しています

実際、自動化システムを売る会社は「人手不足の解消にロボットを」というプレゼンをしているのですが、こじらせた私は野暮なことにロボットは「人手」じゃないでしょとツッコミを入れずにいられません

そもそも「生産能力の不足」とでも言うべきで、それすら深掘りすれば「生産能力を用意するための十分な売上がない」のが実態ではないでしょうか

ともかく市場参加する企業はそうして自動化で人件費を削って消費者需要に応えながら競争に勝とうとしているわけです

別に間違ったことはしてません

しかし、間違っていないからといって問題が存在しないとは限りません

需要側に注目してみるとどうでしょう

消費者が払うおカネはどこから流れてくるか? 企業が削るのに熱心な人件費です

このことを考えるに、コストカットによって貧困問題を解決する試みは、人件費が削られて貧困に陥る人々に対して、さらに人件費を削って貧困に陥らせるという奇妙なことになります

特に企業は間違っていないのに問題が存在しているわけです


このような現状を検討した時、貧困をもたらす根本原因は消費者が払うおカネを企業経営の人件費だけに依存する「社会システムの設計」にあると判断できます

コストカットをがんばる企業や失業で切られる消費者側ではないということです

冒頭で「社会問題の解決に寄与するであろう新しい視点を提案したい」と言ったのはこのことです

こうしたシステム思考を使わないと「社会問題なんてない、すべて自己責任だ」とか「雇用を守らない企業が悪い」とか、システムではなくプレイヤーから犯人探しをしがちで、問題の核心となっているシステムは野放しになります

コストカット、ロボット化は避けられないことですから、おカネを発行して直接消費者に渡すようにするしかありません

そうしなければコストカットするほどに貧困は進みます

 

最後に書籍を紹介しておこうと思います

 

「最強のベーシックインカム」駒田朗(のらねこま)

わかりやすく、今もたまに読み返しています

 

「毎年120万円を配れば日本が幸せになる」小野盛司・井上智洋

高精度な経済モデルで試算を行っています


「ベーシックインカムの誤解」蝙蝠

Amazon kindleで無料のマンガですがわかりやすいです

2023年10月30日月曜日

3Dプリンター住宅500万円代

今や3Dプリンター技術を活用すれば500万円そこらで家が建つそうです

人件費9割以上カットというすさまじい数字を見ました

これは消費者としては助かるし、企業も間違ったことはしていません

ただし、重大な懸念として社会システムがこのような状況に追いついていないことがあります

要は、人件費を削れば購買力も失う社会構造なので、商品を売り買いするのが難しくなるわけです

9割人件費カットなら消費者が使えるおカネも9割失われるのです

例え完全自動化で人件費をゼロにしたとして、じゃあ誰が買えるのか?

このあたりの問題を多くの人が無視しています

現行社会ではロボット化によるコストカットだけでは貧困を解決できないのです

ちなみに3Dプリンター住宅は若者向けのつもりだったが、高齢者に人気で意外ですとの話を見ましたが、若者のほとんどは500万円すら貯められないのではないでしょうか

私はこれからの子どもたちが3Dプリンタのようなロボット技術と競争して稼ぐなんて無理があるんじゃないかなと思ってます

このへんの問題に対し、未来のビジョンというものをほとんどの大人は見せてやれておらず、旧態依然とした現実にそぐわない競争参加を強いるばかりです

ベーシックインカムを始めればこのあたりは解決するので、早く始めたほうがいいと思います

2023年10月8日日曜日

不正のトライアングルから考える不正予防

不正のトライアングルという概念があるそうです。

不正のトライアングルとは、不正が

  1. 動機
  2. 機会
  3. 正当化

の3つが揃うことで発生するという理論です。

個人的には1>2>3の優先順位で対策することが望ましいと思います。動機にアプローチするとは動機が発生しないようにすることです。例えば動機がカネの場合、そもそもカネがあれば動機は生まれません。動機を潰せれば正当化の段階で葛藤にエネルギーを割かれる必要もなくなります。

社会全体的にカネ不足に陥る構造的要因があります。現在では技術的失業やバブル崩壊が考えられます。対策としてベーシックインカム(+インフレターゲット)や100%準備のような政策が考えられます。

最近、先進国の治安が悪化する傾向にあるようです。covid-19以前にデフレと真摯に向き合い、未来を見据えてベーシックインカムを少額からでも始めていれば、こんなにひどくならずに済んだのではないかと思わずにいられません。