うつ病について最近明らかになった一面として、ウィルスが関係しているそうです。
Human Herpesvirus 6B Greatly Increases Risk of Depression by Activating Hypothalamic-Pituitary -Adrenal Axis during Latent Phase of Infection
ttps://www.cell.com/iscience/fulltext/S2589-0042(20)30372-2
以下ハイライトの引用
Highlights
- We identified SITH-1, a new protein specific to HHV-6B latent infection
- Mice expressing SITH-1 at HHV-6B latent infection site had depressive symptoms
- Depressive symptoms due to SITH-1 were associated with a hyper-activated HPA axis
- SITH-1-specific antibody detection significantly greater in depressive patients
引用終わり
以下DeepL翻訳に翻訳してもらったものです。
ヒトヘルペスウイルス6Bは感染の潜伏期に視床下部-下垂体-副腎軸を活性化することでうつ病のリスクを大幅に増加させる
ハイライト
- HHV-6B潜伏感染に特異的な新規タンパク質SITH-1を同定
- HHV-6B潜伏感染部位でSITH-1を発現したマウスでは、抑うつ症状がみられた。
- SITH-1による抑うつ症状はHPA軸の高活性化と関連していた
- うつ病患者ではSITH-1特異的抗体検出率が有意に高い
ウイルス研究から判る疲労の正体
ttps://www.japanprize.jp/seminar_resume_191_kondo.html
以下引用
「疲労」はストレスの蓄積によって生体機能に障害が生じた状態を、「疲労感」は疲労を脳が主観的に定量する感覚を指します。 「疲労感」は、報酬や、やり甲斐などでマスクされ易いため、「疲労感」のみで「疲労」を定量しようとすると、様々な問題が生じます。 そこで、「疲労」を客観的に測定するために、疲労によって変化する生体のバイオマーカーを発見し、これを利用して疲労を測定する様々な方法が検討されています。
我々は、疲労を客観的に測定するために、「疲れるとヘルペスという水泡が唇にできる」という現象に着目しました。 この現象は、通常は宿主の体内に潜伏感染しているヘルペスウイルスが、疲労によって宿主の危機が生じると再活性化し、他の宿主を求めて体外に放出されるという現象です。 ヒトのヘルペスウイルスは8種類知られていますが、この中でも労働による疲労にはヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)が良く反応し、基礎疾患がある場合の疲労にはHHV-7が反応することが判りました。
このことは逆に、疲労によるヘルペスウイルス再活性化のメカニズムを解析すれば、疲労の分子メカニズムを解明することが可能となることを示しています。 我々は、HHV-6の再活性化機構を詳細に検討することで、疲労因子を同定することに成功しました。 この因子は、マウスに不眠や水泳などによる疲労を与えると様々な臓器で発現が亢進することと、この因子を遺伝子導入によって発現を誘導すると、マウスの自発運動量が低下することから、疲労という現象の中心的な働きをする因子であることが判りました。 また、この因子の働きを抑制する因子も疲労負荷によって発現が亢進することが判り、この研究が、疲労のメカニズムの解明や疲労回復法の開発を可能にするものと考えています。
疲労によって再活性化するHHV-6の重要な特徴として、脳内に潜伏感染するという性質が挙げられます。 我々は、HHV-6の再活性化時に発現が誘導される潜伏感染遺伝子タンパクSITH-1を発見しました。 また、このSITH-1に対する抗体が、うつ病などの気分障害患者で特異的に検出されることや、SITH-1を脳内で発現させたマウスが気分障害様の行動異常を示すことを見出し、疲労によるHHV-6の再活性化が、うつ病などを引き起こす可能性を示すことができました。
この様な研究から、ウイルス、特にヘルペスウイルスは、疲労と密接な関係を持ち、疲労に関する多くの情報をウイルス研究から引き出せることが判りました。 我々は、この様な研究が、疲労や精神障害を改善するのに役立つものと考え、研究をさらに進めています。
引用終わり
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【うつ病と疲労の関係性】ヒトヘルペスウイルス6型とうつ病の発症のメカニズムとは
ttps://hidamarikokoro.jp/kanayama/blog/%e3%80%90%e3%81%86%e3%81%a4%e7%97%85%e3%81%a8%e7%96%b2%e5%8a%b4%e3%81%ae%e9%96%a2%e4%bf%82%e6%80%a7%e3%80%91%e3%83%92%e3%83%88%e3%83%98%e3%83%ab%e3%83%9a%e3%82%b9%e3%82%a6%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%82%b96/
意見
こうした病のメカニズムが次第に明らかになってきたと思います。
- 質的栄養失調によるエネルギー産生の低下、免疫力も低下
- 社会システムによって事実上強制される過大なストレス
- 1や2を中心とした疲労の蓄積をトリガーとしてうつ病のリスクを増大させるウィルスが活性化
1と2の他にもストレス要因はたくさんあると思いますが、とりあえずほとんど誰にとっても現代社会の中心的な問題と考えられるものを挙げました。1の質的栄養失調については知識があればそれなりに個人で対策可能と思いますが、2は国民配当を急ぐ必要があると思います。
今回取り上げた内容については、人間も自然の一部である以上、身体の外部と相互に影響を与えながら生きているということを改めて考えさせられました。